公開日 04/02/2020 最終更新日 26/02/2023
スティグ・リンドベリについて
- 名前 : スティグ・リンドベリ(Stig Lindberg)
- 生誕 : スウェーデン(1916-1982)
スウェーデンアート界を代表する世界的な陶芸家、デザイナー、アーティスト。
スウェーデン陶芸界を代表する人物であり、北欧食器といえばリンドベリのベルサが代名詞とも言えるほど。その他、多くの人気作品や傑作を生み出しており、現在も当時のデザインを用いた復刻版が数多くのシリーズで製造され続けています。
ヴィンテージにおいては、人気が高いものや製造年数の関係から市場に出回る数が少ないシリーズは非常に高値で取引されます。
また、リサ・ラーソンの師匠としても知られ、彼女の活躍はリンドベリ抜きには語れないと言えるほど彼女の活躍にも深く関わった人物です。
類まれなるそのセンスはグスタフスベリという陶器メーカーに属しながら、陶器を元にした食器のみに留まらず、さまざまな形のアート作品としてとして世に送り出されました。
代表作はベルサ(BERSÅ)、ブルー / レッドアスター(BLÅ / RÖD ASTER)、アダム / エヴァ(ADAM / EVA)など。
現行品で再販されているシリーズもありますが、ヴィンテージには当時の手作業での製作を思わせるヴィンテージならではの雰囲気のあるアイテムが並びます。是非、鬼才リンドベリの世界をお楽しみください。
ベルサ / BERSÅ(1956-1978)
スウェーデン語で正確に発音するとベルソーとなりますが、日本ではベルサの愛称で知られます。もちろん、現地でベルサと言っても伝わりませんので、行かれる際はご注意を。
この作品は、リンドベリそして北欧食器の代名詞とも言える傑作であり、非常に人気の高いシリーズとして数多くのアイテムが製造されました。
非常にシンプルなデザインですが、北欧らしいはっきりとした美しい色使いと愛らしい葉っぱの形が見る人の目を引き付けるシリーズです。
ベルサシリーズは復刻版も製造されていますが、バックスタンプに ”BERSÅ” の文字と9枚の葉っぱがプリントされているのはオリジナルのみとなります。
カップ&ソーサー
その他アイテム
アスター / ASTER(1962-1974)
リンドベリの代表作の一つであり、ブルー、レッドー共に非常に人気の高いシリーズです。
本国でもなかなか出会うことのできない希少性の高いシリーズであり、その中においてもカップ&ソーサーは特に希少性の高いものとして知られます。
復刻版も製造されていますが、バックスタンプに ”BLÅ / RÖD ASTER” の文字がプリントされているのはオリジナルのみとなります。
ブルーアスター/ BLÅ ASTER
レッドアスター / RÖD ASTER
サリックス / SALIX(1954-1965)
ブラックとレッドの2色展開のシリーズです。
サリックスは ”柳” の意であり、柳の葉がシンプルに描かれたのみというリンドベリらしいデザインで、線の強弱によりアイテムを表情豊かに仕上げています。
リンドベリの作品の中でも人気が高く復刻版も製造されていますが、オリジナルとは表情が異なるものになっています。
カップ&ソーサー
クリーマー&シュガーボウル
アダム&エヴァ / EVA & ADAM(1959-1974)
リンドベリの代表作の一つであり、アダム、エヴァ共に非常に人気の高いアイテムです。
中でもエヴァは現地でもほとんど目にすることがない超激レアアイテムとして知られ、非常に高値で取引されています。
青を基調としたアダム、赤を基調としたエヴァとそれぞれがドットのみでデザインされた非常にシンプルなシリーズですが、シンプルさの中に深みを持たせ、モダンで洗練されたアイテムに仕上げられています。
また、現在は復刻版も製造されている両シリーズですが、復刻版はデザイン全体が綺麗で艶やかなのに対し、オリジナルは少し無骨で荒い部分も見られるヴィンテージというに相応しい雰囲気を味わうことのできるアイテムとなっています。バックスタンプはオリジナル当時のものに加え、復刻版には無いADAMとEVAの文字がそれぞれプリントされています。
カーニヴァル / Karneval(1957-1962)
カラフルでポップに描かれたこちらのシリーズは、トレイやフラワーベースなど様々な図案や形を用いて多くのアイテムが制作されました。
また、同じ図案を用いたアイテムであっても絵付けをしたペインターさんにより一点一点配色が異なり、それぞれに個性溢れる一点物とも言える仕上がりになっています。
背面にみられる手のマークはハンドペイントで描かれたことを示すサインです。
ドミノ / DOMINO(1957-1962)
白黒二色のカラーとシンプルな幾何学模様のみを用いてデザインされたこちらのシリーズは、個々のアイテムが洗練されたインパクトのあるデザインに仕上げられています。
ミニマルでありながらも力強さを感じさせるデザインが鬼才リンドベリの抜群のセンスを感じさせてくれます。
ローゼンフェルト / ROSENFÄLT(1969-1972)
ローゼンフェルトは、”バラの園” を意味する言葉です。
単色で非常にシンプルにデザインされていますが、タイトルを表すようにプレート全体に力強く描かれたバラが美しく、リンドベリらしさを感じられるシリーズです。
なお、展開されているアイテムはプレートだけのようで、色はブラックとレッドの2種類が存在します。
【ちょっとうんちく北欧ヴィンテージ】リンドベリの軌跡と現代における人気
洗練されたデザインと衰えぬ人気
リンドベリは現役当時から絶大な人気を誇るデザイナーでしたが、その人気は彼の全盛期から60年以上経った現在でも衰えを知りません。その証拠に現在でも復刻版が製造され続けているわけですし、実際に彼のデザインやアイテムに触れても目新しさやデザインとしての洗練を感じさせるものばかりです。知らない人が見れば本当に昨日今日デザインされたものだと感じても不思議ではないでしょう。
オリジナルと復刻版の違い
そんな彼の作品ですが、復刻版とオリジナルではどこが違うのでしょうか。ファンとしてはオリジナルが良いけど、同じデザインなら復刻版でも良い気もするし・・・となりそうなところですが、ちゃんといくつかの違いがあります。本来であればきちんと比較した画像などと共にみなさまに違いをお伝えできると良いのですが、私がアイテムを集める上でオリジナルにこだわりがあって復刻版を所有していないことから、残念ながら比較した写真などを掲載することができません。恐縮ながらご了承くださいませ。
そんなオリジナルと復刻版ですが、フォルムデザインやバックスタンプ、そしてプリントや釉薬の具合など実は割とさまざまな部分が異なっており、見る人が見れば結構な違いがあります。
オンラインで購入する際はちゃんと違いを知ろう!
バックスタンプはわかりやすいもののひとつで、復刻版は現在の共通バックスタンプが使用され、リンドベリの名前やシリーズ名も見られませんが、オリジナルは時代に合わせてスタンプが微妙に変更されていたり、そのアイテム固有の個性的なスタンプやサインに加え、多くのアイテムでリンドベリの名前やシリーズ名が見られます。
フォルムやプリント、釉薬の具合などデザインの部分における違いについては、双方を横に並べて比べるか、それぞれの特徴をちゃんと把握していないと違いがわからない可能性があります。特にまだそれぞれの特徴をよく捉えられていない方がオンラインで個々に見ていたりする場合は判断が難しいと考えられ、復刻版と記載されているか、最低限バックスタンプを覚えた上で見ないと判断できない可能性があります。購入の際はちゃんと知った上で、どちらを買うか検討したいですね!
最終的にオリジナルと復刻版のどちらがお好みかは個人によって変わりますが、復刻版は多くのショップさんで取り扱いがあるため、入手しやすいのに対して、オリジナルは当然簡単には手に入らない貴重なものも多いです。そんなオリジナルにご興味のある方は是非お好みのシリーズやアイテムを見つけてこだわりの一点を手に入れてみてください!
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ウェブストアおよび実店舗オーナー、インポーター、エクスポーター、アンティーク&ヴィンテージコレクター、ファッションコーディネーター、旅人
ヨーロッパ長期滞在は3ヶ国(イタリア、アイルランド、デンマーク)でトータル2年半。 現在は日本を中心に活動しながら商品買い付けや旅などでヨーロッパを訪れています。旅はヨーロッパ限定で20ヶ国程度。
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