公開日 22/10/2019 最終更新日 27/02/2023
リトグラフについて
リトグラフって?
主に19世紀のヨーロッパで用いられた巨大な石灰石を用いて平版画を描く技法です。
日本では浮世絵などにも見られるように木材を原料として版を刷る技術が発展してきましたが、ヨーロッパではこのように石を用いた印刷技術が発展しました。
建築物を見ても日本では木造が中心であったのに対して、西洋ではレンガなどの石を用いて建築物が作られてきたように生活の中心となってきた原料の違いからも文化の違いが見られますね。
現代では重たい石を用いずにアルミ板などを用いて描かれたりするようですが、このような平版画が総称してリトグラフと呼ばれています。
代表的なアーティストと作品
日本にも多くのファンを持つアールヌーヴォー期を代表するチェコ人の芸術家であるミュシャ(活躍はフランス・パリ)やフランスを代表する画家であるロートレック、サヴィニャックなどの作品が有名です。その他にも多くの名立たる芸術家がリトグラフで作品を残しています。
アールヌーボー / Art Nouveau(1890年頃 – 1920年頃:明治 – 大正)
日本でも知名度の高いエミール・ガレ(Émile Gallé)やアルフォンス・ミュシャ(Alfons Mucha)など世界を代表する多くのアーティストが活躍した時代で、この時代の作品全体を通して柔らかな曲線を用いた華やかで優美なデザインのアイテムが並ぶことが特徴となっています。
この時代に刷られたリトグラフは、ポスターとして製作されたものや紙媒体の挿絵として用いられたものをはじめ、様々なアイテムの展示見本帳として顧客用に刷られたものであったりと必ずしもアート作品として製作されたものばかりでないのが面白さと魅力になっており、そういった背景も現代ではポスターとは一味違うロマン溢れる美しいアート作品に昇華されています。
アールデコ / Art Deco(1920年頃 – 1930年頃:大正 – 昭和初期)
華やかな時代を象徴するかのように優美な装飾が特徴のアールヌーボーに対して、世界恐慌の不穏な足音が徐々に近づいてくる時代となり、簡素でシンプルに削ぎ落とされた直線的なデザインが特徴のアイテムが並ぶのがこの時代です。
目立つアーティストはいませんが、アールヌーボーと共にデザインおよびアート史において非常に人気の高い時代のひとつとなっています。
セーブル / Sèvres
フランスを代表する磁器窯として知られる国立セーヴル陶磁器製作所(Sèvres)の磁器カタログとして用いられていたリトグラフ(石版画)です。
当時は現代のようにインクジェットやレーザーによるプリント技術があったわけではないため、ヨーロッパではリトグラフでのプリントが主流であり、こちらは元々百貨店などで顧客用にカタログとして製造および複製されたものでした。
フランス / France
フランスを代表する磁器窯として知られる国立セーヴル陶磁器製作所(Sèvres)の磁器カタログとして用いられていたリトグラフ(石版画)です。
当時は現代のようにインクジェットやレーザーによるプリント技術があったわけではないため、ヨーロッパではリトグラフでのプリントが主流であり、こちらは元々百貨店などで顧客用にカタログとして製造および複製されたものでした。
ファッション / Mode
オーストリア=ハンガリー帝国期(1867年 – 1918年)に刷られたアンティークのリトグラフです。モード誌の一部を抜き取った現代で言うところのファッションスナップに当たるもので、当時の最新モードシーンを垣間見ることができるロマン溢れる美しいアイテムになっています。
アイテムは1870年頃のものになりますが、描かれているスタイルからも20世紀初頭のポール・ポワレによるモード革命以前のコルセットが当たり前に着用されていた時代のものであることがわかります。
ウェブストアおよび実店舗オーナー、インポーター、エクスポーター、アンティーク&ヴィンテージコレクター、ファッションコーディネーター、旅人
ヨーロッパ長期滞在は3ヶ国(イタリア、アイルランド、デンマーク)でトータル2年半。 現在は日本を中心に活動しながら商品買い付けや旅などでヨーロッパを訪れています。旅はヨーロッパ限定で20ヶ国程度。
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