公開日 04/11/2015 最終更新日 27/01/2023
ヨーロッパと言語
どこまでの地域を含めるかにもよるが、国際法により一般的に国家と承認されている国は現在約50ヶ国。
総人口は7億5千万ほどで、総人口でも中国やインドの半分より若干多い程度ということになるため、いかに小国家が多いかが感じてとれる。
ただし、その人口数に対して経済水準は軒並み高く、特に北欧は世界の経済水準におけるランキングで常に4カ国すべてが上位に食い込むほど豊かである。
※ドイツ以北で移民問題が大きくなっているのはこのため。
また、言語については、それぞれの言語を持つ国が殆どであるため、実際に使用されている言語の数もおのずと国家の数に近いものが存在することとなり、かなり多様性に富む。
中にはスイスのように各地方により4つの公用語が用いられる多言語国家も存在。
※イタリア語、フランス語、ドイツ語、ロマンシュ語の4つ。
ヨーロッパ全体の言語に関していえば、ベースとなるのはローマ字であるため、ひとつの言語を習得すると他の言語への適用度が大きく上がるため、日本語など完全に異言語を学ぶのに対し、マルチリンガルへの道は容易です。語学に興味のある方は是非チャレンジをお奨めします。
ラテン圏
- イタリア(6,000万)
- スペイン(4,700万)
- ポルトガル(1,020万)
- フランス(6,700万)
※()内は人口。おおよそです。
ラテン語を原種とする言語は4つ。イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語です。
中でも最も原形に近いものがイタリア語。そのイタリアはかつて大きな力を持っていたことから、ヨーロッパ語族の各言語に大きな影響を与えており、ラテン語ベースの言葉が多く存在します。
同じラテン語ベースの中では、フランス語のみ音が大きく違うため少し難しさがありますが、互いに応用が利き、感覚的には十分捉えられるため、ひとつ習得すると他の言語への応用力がぐっと上がります。
特にイタリア語とスペイン語は結びつきが強く、互いにその言葉が話せなくても簡単な会話が成立してしまうほど似通った部分が多い言語です。
また、ラテン語ベースの4言語は世界を見ると、イタリアを除き中近代における植民地支配の時代に多くの領土を持っていたことから、かなり広範囲に渡り公用語として使用されています。
スカンディナヴィア圏
フィンランド語のみ大きく異なり、対面の隣国であるロシア語とも大きく異なるため、正に異言語といえる存在です。
ただし、フィンランドはスウェーデン語がひとつの公用語としても用いられており、大半の人が話せることに加え、一部の地域では過去の領土の関係から現在はフィンランド領であるにも関わらずスウェーデン語が用いられている地域も存在します。
その他の3言語はラテン語と同じようにひとつ習得しているとかなり適応できるため、フィンランドでもスウェーデン語が通じることを考えると、スカンディナヴィア圏の言語をひとつ習得すると他の言語への応用力がぐっと上がるといえます。
また、非ネイティブによる英語力ランキングのトップ5に常に北欧の4カ国すべてが毎年入るほど英語力が高い地域として知られる。
※1位はオランダであることが多い。英語とそっくりとのこと。(ドイツ人の友達談。著者はオランダ未渡航かつ全く知りません。)
英語力は実際にかなりのもので、ネイティブでさえその実力を認めるほどであり、英語のみで仕事をする外国人も多く存在する。
西欧の国の名称と公用語
イタリア
-
- 国名(通称)
- 【日本語】イタリア共和国(イタリア)
- 【英語】Italian Republic(Italy イタリー)
- 【主要言語】Repubblica Italiana(Italia イタリア)
- 言語
- 【日本語】イタリア語
- 【英語】Italian イタリアン
- 【主要言語】Italiano イタリアーノ
- 国名(通称)
国と言語の特徴
主要言語はイタリア語。イタリア語の話者数はイタリア人が6000万人に加え、スイスの一部の地方が母語として使用します。母体になったのはラテン語であり、これがベースとなって大きく発展した言語はイタリア語・スペイン語・フランス語・ポルトガル語の4ヶ国語。イタリア語のベースとなったのはラテン語の中でもヴォルガーレと言われる、フィレンツェが発祥の言語です。
ラテンの中でもイタリアとスペインは国としても言語としても似た部分が多いことから関係性も強く、お互いに多くの方が流入出し、文化や言語を共有します。ラテン語をベースに持つフランス語やポルトガル語が母語の方々も非常に流暢にイタリア語を話します。また、近隣諸国アルバニアなどでも日常的にテレビ等でイタリア語が流れていることからこちらにも話せる方が多いです。
イタリアは1861年に統一されるまでは、天下統一を迎えるまでの日本のように各地域がそれぞれが単一の国でした。そのため各地方に方言や訛りが強く残ります。”C” の発音を持たないフィレンツェでは ”コカ・コーラ” を ”ホハ・ホーラ” と発音するなど非常に面白い訛りや方言も多いです。言語と言う点では英語そのものはラテン語がベースではありませんが、ラテン語から派生した単語も多いため、似た単語も多く存在します。
北欧の国の名称と公用語
デンマーク
- 国名(通称)
- 【日本語】デンマーク王国(デンマーク)
- 【英語】Kingdom of Denmark(Denmark デンマーク)
- 【主要言語】Kongeriget Danmark(Danmark デンマーク)
- 言語
- 【日本語】デンマーク語
- 【英語】Danish ダニッシュ
- 【主要言語】Dansk ダンスク
国と言語の特徴
主要言語はデンマーク語。主にデンマークのみで使用される言語であり、デンマークの国民が580万人程度であるため、非常に母数の小さな言語です。 9つもの母音を持つことから、他の言語にはない音が多く、外国語話者はスピーキングとリスニングに非常に苦労し、世界に数ある言語の中でも習得が屈指の難しさとなる言語のひとつです。授業を受け持ってくれた先生の話によると全言語中5本の指に入るとのこと。 ノルウェー語、スウェーデン語が近い言語として上げられ、ノルウェー語とは特に近しい関係にありますが、いずれにしても異なる言語です。また、同じスカンディナヴィア圏でありながら、フィンランド語は大きく異なる言語となります。 また、隣国の言葉であるドイツ語とも関係性の近さを感じることが出来ることに加え、英語やイタリア語とも近しい単語がいくつも存在します。
スウェーデン
- 国名(通称)
- 【日本語】スウェーデン王国(スウェーデン)
- 【英語】Kingdom of Sweden(Sweden スウィーデン)
- 【主要言語】Konungariket Sverige(Sverige スヴェリージェ)
- 言語
- 【日本語】スウェーデン語
- 【英語】Swedish スウィディッシュ
- 【主要言語】Svenska スヴェンスカ
国と言語の特徴
主要言語はスウェーデン語。主にスウェーデンのみで使用される言語であり、スウェーデンの人口が1,000万人程度であるため、非常に母数の小さな言語です。
ただし、同じスカンディナヴィア圏にある隣国のフィンランドにおいてもスウェーデン語はひとつの公用語となっており、実際にムーミンの作者であるトーベ・ヤンソンもフィンランド人でありながら第一言語がスウェーデン語だったようで、フィンランドにはこのような方が多く存在します。また、過去の領土の関係から、現在はフィンランドの国土であるにもかかわらず、公用語がスウェーデン語となっている地域も存在します。
デンマーク語やノルウェー語が近しい言語として上げられますが、いずれにしても多少なりとも異なる言語であることに加え、同じスカンディナヴィア圏に位置するフィンランド語は大きく異なる言語となります。
ウェブストアおよび実店舗オーナー、インポーター、エクスポーター、アンティーク&ヴィンテージコレクター、ファッションコーディネーター、旅人
ヨーロッパ長期滞在は3ヶ国(イタリア、アイルランド、デンマーク)でトータル2年半。 現在は日本を中心に活動しながら商品買い付けや旅などでヨーロッパを訪れています。旅はヨーロッパ限定で20ヶ国程度。
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